雲取山(くもとりやま)日帰り登山は可能。

日帰り登山のガイドはたくさん出版されていますが、関東で日帰り登山を紹介する本に「雲取山」が載せられることはほとんどありません。そのため、登山初心者に雲取山の知名度は高くないことも考えられます。雲取山はどんな山なのか。

雲取山は東京都の中でも唯一2000mを越える山で、埼玉県と山梨県との境界にもあるため山頂には一等三角点が設置されています。標高は2017m。2017年1月正午の山頂で氷点下9℃を確認してきました。

雲取山は日本百名山のひとつであり、登山上級者も多く訪れる山です。日帰り登山のガイドは日本百名山を載せることが少ないため、もしかするとあなたの近くにある山や故郷の知っている山が日本百名山になっているのかもしれません。日本百名山をすべて登る登山家も出てきています。

今回は奥多摩湖の西側にある「鴨沢」が出発地点になります。ここは、奥多摩駅からバスが出ているため、早朝登山が可能になっています。バス停から登山道入口までの案内標示がしっかりと出ていますが、途中から林道を歩いて無料駐車場まで歩くことになります。

スタート地点に雪があることは想定外。車のタイヤがスタットレスではなかったため、ここに駐車することはできずにいちばん下から歩くことになりました。そのため、鴨沢のバス停からは30分程度の道を歩くことになります。

上の写真が雲取山登山口になります。駐車場からここまで5分もあれば到着します。この日は、登山口の斜面が滑りやすくスタート地点からストックを両手でフル活用しました。

登山口からすぐこんな家がありました。この日はスタートが午前7時で氷点下7度。住民が生活していた頃はこの木造でどのように冬を乗り越えたのかが気になりました。

東京都は明治時代から水源地を確保するため、多摩川を囲む山を管理しています。雲取山はその中でもいちばん最西端にあり、森林が生み出す水が奥多摩湖に流れるようになっています。雲取山を登っていて気づくことは植林がとても多いこと。上の写真にも東京都水道局の水源林(東京都水源林)と書かれた看板があります。

水源林であることは間違いないようです。登山口から1時間もかからずにここに到着できます。湧き出ている水はすごく冷えていたため美味しかったです。鍋から地面に漏れ出た水は凍結していました。

雲取山は下の方が人工林で管理されていることが多いため、針葉樹林が綺麗に植林されています。

樹木が多く倒れるような地盤のよくないところや植林が困難な場所には針葉樹林は少ないです。上に登るに連れて広葉樹林が多くなるのは、大自然の奥に進んでいる目印となります。

上の写真は、最初のチェックポイント「堂所」。写真撮影や大自然を堪能しながらおおよそ2時間で到着できます。地図ではここまで一直線に北上していますが、くねくねカーブがたくさんあるため、円を描きながら山を登っているような錯覚を起こしました。

この先、七ツ石山を経由するルートとそのまま雲取山へ向かうルートに分かれます。

雲取山の特徴は、このような岩をよじ登る場所はありません。脇にしっかりと道があるため、強い筋力を要する山ではないようです。そのため、すれ違う登山者の顔を見ると年齢層も広いことが分かります。

上の写真は、2つ目のチェックポイント「七ツ石小屋下」の分岐地点。先ほどの「堂所」から40分で到着します。左に行けばブナ坂で最短ルートを歩いて雲取山に着きます。右に行けば2つ目の水場→七ツ石小屋→七ツ石山→ブナ坂になります。どちらを選択してもブナ坂で合流しますが、ひとつでも多くの山頂を踏んで景色や思い出を増やしたい時は右に進むのもいいかもしれません。しかし、冬山は日没が早いため、日帰り登山をするなら往路(登り)で最短ルートを選択し、復路(下り)で時間を見ながら分岐ルートを選択していくことをおすすめします。

〈左のルートを選択した場合〉2つ目の水場から流れてきた水の氷柱(ツララ)を見ることができます。この氷柱は2m以上あり、とても太く折られた形跡がありませんでした。手の届く場所なのに少しも壊れていないため、登山者のマナーの良さに感動しました。

〈左のルートを選択した場合〉氷柱の場所には幅1m程度で手すりのないこんな橋も架けられています。雪で転倒転落の危険性がとても高いため、雪がある日はこの場所を注意して渡りましょう。

〈左のルートを選択した場合〉この写真は、橋の上から撮影したもです。常に雪崩が起きていることが分かります。すぐ下に雪があるから落ちても大丈夫そうに見えますが、雲取山の雪は粉雪のため身体ごと一気に下まで流されていくことが予想できます。

〈左の最短ルートを選択した場合〉ここらへんまでは樹木が雪をキャッチしてくれるため深い積雪がありません。布団の上を歩いているような感じで、一歩ずつ雪を踏みつぶす感覚が気持ち良かったです。

〈右のルートを選択した場合〉七ツ石小屋に着きます。ここでは、水場が近くにあるため宿泊や食事もできます。通過時にトイレも使用できることや、いろんな案内が手書きで標示されています。登山者に対する心あたたかさを感じました。

〈右のルートを選択した場合〉七ツ石小屋では、雲取山バッジが購入できるみたいです。日本百名山ではそういった記念品を山小屋で購入できることが多くなっています。

〈右のルートを選択した場合〉東京都と山梨県の境界地点に七ツ石山があり、頂上は標高1757mまで登ることになります。ここは積雪や傾斜がきついため、迅速を求めることができません。山頂付近には人間よりも遥かに大きな石灰岩の岩塊がありました。その岩塊は平将門の家来武士七人がここで石化したと言われています。山頂直下では七ツ石神社がその七人の霊を祀ってることも伝えられていますが、石灯籠は残っているものの鳥居や社殿が倒壊して廃墟となっています。

〈右のルートを選択した場合〉七ツ石山の山頂付近からみた景色になります。この日のように雲がたくさんかかっていると眺めはよくありませんが、天気が良ければ富士山や南アルプスの山を眺望できます。七ツ石山頂上からは、雲取山やそこまで伸びる稜線も確認できます。

上の写真は、3つ目のチェックポイントで「ブナ坂」です。七ツ石小屋下の分岐地点で左ルートと右ルートが合流する地点になります。右と左のルートでは、1時間の差が出てしまうことを計算してブナ坂を目指してください。

鴨沢をスタートしてから休憩を含めて3時間半でここまで来ることができました。ブナ坂からは広く開けた稜線が続きます。紅葉シーズンはこの稜線が人気スポットであり、日本百名山の中でも有名な場所になっています。夏や秋はテントを張りながらそのまま気持ちよく過ごす人も少なくありません。

稜線をゆっくり登りながら後ろを振り返ると、七ツ石山が見えました。七ツ石山を下りたところにブナ坂があるんですよね。

ブナ坂から稜線に出ると、積雪が深くなっていました。粉雪のため、強い風が吹くと地面から深い雪が飛び散ることがありました。東京都の天気が雪じゃなくても、雲取山では雪が降るためゴーグルの着用をおすすめします。

稜線には雲取山のヘリポートが設置されています。遭難者や要救助者、山林災害に対して東京消防庁をはじめ警察や自衛隊の航空救助隊がヘリコプターでここへ着陸します。

ヘリポートを越えると、奥多摩小屋があります。奥多摩小屋では、利用料金を支払わらずに休憩や飲食をすると山小屋の管理人からご注意を受けるため、頂上の避難小屋と同じ認識で使用をしないように。

稜線を1時間ほど歩いてから後ろを振り返ると、白い帯状に登山道が延びていました。

休憩に水を飲もうとしたら、ペットボトルが凍結。富士山でも同じことがあったような。もう一つのペットボトルを出して振った瞬間、中のお茶がかき氷になってしまいました。

上の写真は雲取山頂上で、その右横に雲取山避難小屋があります。

避難小屋は二重扉になっているため、ドアをスライドさせても壁になっていることに驚かないように。それをさらにスライドさせれば中に進入できます。もちろん無料で使用できるため、土日の登山客はここを宿泊に使用することが多いです。

上の写真は、雲取山避難小屋から登山道を撮影したものです。ここから山頂を示す案内標示が立っているため、避難小屋と山頂を間違わないように。

ここに到着したときには12:00でした。ちょうど5時間。雲取山避難小屋で1時間休憩。ガスバーナーを使ってもお湯がなかなか沸騰しない。本当に富士山みたいなカップラーメンを食べました。

帰りはほとんど写真撮影をせずに下山に集中すれば、鴨沢のバス停まで3時間~4時間で降りることができます。雪の方が石や根を気にすることなく下山できるため、足への負担も少なく早く降りることができます。下に行くにつれて、氷で滑る場所が多くなるので、最後まで転倒に注意しながら下山してください。










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