大菩薩嶺(だいぼさつれい)清涼とは違った深秋の魅力。

今回の登山は11月。11月は鮮やかな紅葉が深まる季節として、色づいた葉が山の表情を変化させます。

前回の大菩薩嶺の登山は9月。9月は清涼の候として、登山しやすく秋分へ入る時期です。上の写真を見てどちらかに魅力の充足や不足を感じていると思います。時間、場所、天候が全く一緒でも、季節が異なれば山の雰囲気は違うため、一期一会になるのはもったいないんです。「そんなのわかるよ!」っていう方も、大菩薩嶺の清涼と深秋をこのページで再確認してみてください。

今回も山梨県小菅村の大菩薩峠入口をスタートにしました。よって、大菩薩嶺の東側から頂上を目指して登山しました。

仲秋の10月は過ぎて落葉が少しずつ増えていました。下山時は地面に落葉が増えて見えるため、葉が落ちないうちに気になる山へ行こうと思いました。

葉っぱが落ちたせいか、前回は見えなかったものが見えたりしました。

奥多摩側も赤く紅葉しています。前回の登山では、小菅村から登山者と会うことはありませんでした。しかし、今回は文化の日も入れて3連休であり、登山道入口から登山活動のグループや数名の登山者と挨拶を交わしました。

上に進むに連れて、紅葉が綺麗に輝いています。大菩薩嶺は大きなブナが生えているため、紅葉の時期に上を見上げると迫力を感じます。

大菩薩峠までの分岐点は計4つ。それぞれ30分間隔で進むことができるため、大菩薩峠を5つ目の地点とすれば、休憩なしで2時間半の到着が計算されます。

この日は、マウンテンバイクで山に登る集団がいました。30分早くスタートしたはずが、いつのまにか半分しないうちに全員を抜かしました。「自転車の方が全然ラクっすよ。」と言ってきましたが、ラクなら自転車を漕いで上がれるはず。

このような岩や倒木がたくさんあるのに自転車を漕いで乗り越えられるはずがありません。山を登る上で大切なことは、自分の身体は自分で守らなければいけないため、ケガの予防と事故の対策を考えてから活動しないとヘリコプターを呼ぶことになってしまいます。

2つ目の分岐点からはスギやヒノキが多くなります。鹿や虫から幹の侵襲を防止しています。今回は鹿を3か所で目撃しました。高いところから下までジャンプを繰り返しながら一瞬にして降りて行くところを見ました。自分なら3時間をかけて下山する場所を、鹿なら2~3分程度で降りていけるようなジャンプを持っています。撮影しようとしましたが、カメラを出す暇もないくらい速かったです。

前回は橋の下の景色を撮影しました。今回は橋の上の景色を撮影してみました。小菅村の林道は土の林道を歩くため足に優しいルートでもありますが、点々と大きな石や岩壁があります。岩の上に育つ樹木がたくさんあるため、台風により倒木が多くなります。

何をしなくても木の枝や石がコロコロと落ちてきます。そのため、何かが落下してくることで熊や猪、猿と勘違いして緊張が高まることもあります。

登山の途中でこんなものを見ました。木に登るための安全帯ですが、小菅村側のの樹木にはどんな自然の秘密が隠されているんでしょうか。

3つの分岐点はフルコンバ。ここまでは1時間30分になります。眺めを見ながら少し休憩をとりました。ベンチもあるため落ち着いて靴ひもを結び直せます。

フルコンバを過ぎると石や岩が多くなります。下山時は足が疲れているため、石の上で少しバランスを崩すと足首を捻転しやすくなってしまいます。

4つ目の分岐点はフルコンバから30分。この30分は大自然を堪能というより「次は?次はもう少し?」というような気分になってしまいました。

大菩薩峠までは2時間30分。前回は3時間30分でしたが、写真の枚数や休憩時間を半分に減らし早歩きでここまで来ました。初登山を計画するなら、3時間を目安にするといいと思います。

この日は大菩薩峠で多くの人が休憩をしていました。大菩薩峠は山小屋の最終設置点であることや、稜線の中で上日川湖や富士山がいちばん近くに見えるので、人が集まりやすいポイントになります。

稜線の各ポイントでは、富士山と上日川湖、南アルプスの展望を楽しむことができます。親不知ノ頭からはこんな景色になります。

親不知ノ頭から下を見渡すと、賽ノ河原という窪んだ場所があります。賽ノ河原では左を歩いて北東の妙見ノ頭に登っていきます。しかし、この写真を見ると、右側の峠に登れる道がありこの上から展望を楽しんでいる人もいます。

妙見ノ頭を通過し、稜線を歩いている時は冬の寒さを思い出しました。向側の神部岩の方で行列ができています。降りる人たちと登る人たちでコースの取り合いが生じています。登山の基本は登る人が優先になるので、急角度の場所でバランスを崩さないように、登りを優先してコースを譲り合いましょう。

自分が神部岩を登っている時です。本当に急角度なのが伝わるでしょうか。

神部岩の上でもたくさんの人が休憩をしています。

私はこの岩の上で休憩をしました。次の雷岩は人がたくさんいますが、神部岩側は空いているためゆったりと休憩ができます。

これは雷岩からの景色です。2018年は台風が登山に大きく影響しました。今回の登山日には久しぶりに太陽が顔を出してくれました。

今回は大菩薩嶺の登山者が多く、頂上での撮影まで15分並ぶことになりました。色んなグループやペアが並ぶため、多くの人で行列をつくり出していました。並んでいる最中、頂上を踏むだけを目的に人が寄ってきました。しかし、登山者の一人がここへ近づいてきた人に注意をしました。「順番に写真を撮ってるんだよ。急にここに来たら写真を撮る人たちに迷惑じゃないか。」撮影したい人と足を着けたい人、どのようなマナーをつくり出すことがみんなにとって優しいのでしょうか。

大菩薩嶺ではたくさんの人が登山をします。小菅村で考えさせられる登山のマナーとは、大自然を壊さない心。これだけ美しい紅葉が見れるのは、たくさんの植物や動物が大自然のサイクルをつくり出していることが考えられます。稜線では登山の楽しみを壊さない心。普段より価値観が近い人が周りに存在している場所で、他人を不快にさせないのがマナーの初級レベルになりますね。これができれば社会でもマナーを守れるための第一ステップ。



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