梅雨があるから山が生きる

6月は天気予報の台風や降水確率〇〇%という言葉に敏感になります。その雨が全国各地の暮らしや仕事へ大きな影響を与えていきます。もちろん登山を長く続けている方は、毎年6月中旬から7月上旬にかけて山へ登れるチャンスを逃してしまっているため、6月の登山計画の難しさが理解できているはずです。

6月は「長雨の候」「入梅の候」と言われ、水の豊かさを感じる季節です。山の森林は雨期にしっかりと水を浴びて根の下に水を蓄えていきます。森林は自分たちの水だけではなく、人間の暮らしに水を分けてくれています。奥多摩を想像すると、雲取山をはじめ多くの山々が奥多摩湖やその下に流れる多摩川へ長い時間をかけて湧水を流してくれています。

梅雨の雨期が短いと真夏日に「水不足」という言葉を聞きますが、これは人間だけではなく森林や草花の植物も水不足となっているため、その地域全体の生命に何らかの危機が発生しやすくなるのは間違いありません。熱中症という言葉をよく聞くはずです。

6月の空は雲が多く、太陽や青空を眺められる機会は少なくなってしまいます。しかし、雨の降らない日は、その雲の隙間から太陽が顔を出す時間もあります。6月に咲く有名な花はヤマツツジやアジサイ。太陽の光りに綺麗な花びらの色を輝かせます。6月は雲が多くて空が暗いイメージを持ってしまいますが、6月21日が夏至と言われているように、一年の中で日照時間の長い月となっています。

7月の有名な花はヤマユリ。手の平を大きく広げたサイズの白い花びらが模様を付けて開花します。7月は盛夏の候と言われ、梅雨明けにより澄んだ青空が再び戻ってくる時期です。7月になると登山口へ向かう電車や駅周辺、駐車場ではザックを背負った登山者が増えていきます。大自然と大絶景を堪能をするために日本百名山へ挑戦する人も少なくありません。

冬でも山を選べば安全な登山ができるため、シーズンオフと思わないほうがたくさんの山を登ることができます。6月の天気予報が当たらない時期の方がシーズンオフになりやすく、こういった時期に山の知識や山のグッズを揃えることで登山当日の楽しさが倍になります。また、6月中に天気の恵まれた日があれば、夏至のシーズンというメリットを利用してすごい山へ挑戦することもできます。

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