前半の南木曽岳を見ていただけたでしょうか。ここからは、山頂へ向かって稜線を歩いてから下山ルートで降りていく紹介です。
この写真は前半で掲載しましたが、登りのクライマックスの場所です。
頂上までは崖のような場所を鎖で登る場所が数か所ありました。
後ろを振り返ると雲がかかった日本百名山の恵那山を見ることができました。恵那山は標高2191mの中央アルプスの中で最南端の位置にある山です。私は来年の山の日には恵那山から南木曽岳を眺めてみたいと思っています。
蘭(あららぎ)からは北方に向かって頂上を目指すため、常に背中側が南方となっています。右側を向くと東側に「かぶと岩」が見えました。岩の形がかぶとのように鋭く空に突き立ったように見えたことが名前の由来になっています。あの岩も花崗岩で、浸食が進み空に突き立つ鋭さがなくなってきています。
鎖や梯子で大きな岩の上に乗ると周囲を見渡せるようになります。南東側には兀岳(はげたけ)と夏焼山が見えます。この2つの山は大平街道という道路を挟み、大平峠の清内路トンネル前広場から片方ずつ登ることができます。
<大平峠・清内路トンネル前広場>
<正面側:清内路トンネル 右側:兀岳登山口~頂上往復1時間半程度>
<左側:湧水 正面側:夏焼山登山口~頂上往復1時間半程度>
この2つの山は南木曽岳と同じくらいの高さがあります。しかし、自動車で峠まで登ってスタートするため、登山時間は往復2時間もかかりません。そのため、大平街道を挟んで2つともクリアしまう人が多いようです。難易度は南木曽岳に比べると登りやすい山になります。
南木曽岳の入口から2時間半が迫ろうとしていましたが、上を見るとまだ頂上は先でした。今まで同じ高さの山を登ってもこんなに2時間半を苦しく感じたことはありませんでした。
山頂まで2時間半を目標にしていましたが、写真撮影もあり15分ほどオーバーしてしましました。山頂までかかる時間は短い登山ですが、急こう配が連続しているため体力を消耗しやすく頂上が遠く感じてしまいます。三角点の周囲には木があるため景色はよくありません。しかし、左側の赤いテープがある方へ入ると景色を展望できる場所があるため、南側を眺めることができます。
2018年は、山の日からお盆の中盤にかけて長野県は晴天に恵まれませんでした。16:00の恵那山も雲や霧によってはっきりと見ることができませんでした。御嶽山は恵那山とは違った方角に位置するため、この先の場所から眺めを見ることになります。
ここからは標高を少し下げながら稜線を歩いて北東へ進んでいきます。スタートは南側になるため、北に進んでるということは頂上に到着してもまだ折り返し地点ではないのです。
見晴台という場所へ到着しました。見晴台は西側を景色にしている場所です。写真にある梯子を登り、大きな岩の上から御嶽山・乗鞍岳を見ることができます。残念ながらこの日は2つとも顔を出してくれることはありませんでした。
その御嶽山を祀る岩も見晴台の近くにあります。
ここからは熊笹が溢れた登山道になります。熊笹とはクマのように葉が大型なものを意味して名前が付けらています。また、別名としてオオザサと呼ばれ、高さ1~2mまで茎が伸びるため、ルートの両側を熊笹に挟まれると体中を葉っぱで叩かれることになります。
熊笹の稜線から横を見ると少しだけ御嶽山が見えます。
熊笹をかき分けながら2つ目の避難小屋の場所へ到着することができました。
交通機関の時刻表がしっかりと掲示されてありました。
避難小屋をはじめ、登山道の整備は山峡山士会が管理しています。山峡山士会には約50の協力者・団体がいます。避難小屋の中はこのような感じです。
飲料水やハンガー、毛布、地図が用意されています。他にも消火器やロープ、軍手といった火災や救助に必要なものもあります。
外に出ると新しく設置したトイレがありました。トイレットペーパーも補充され、とても綺麗に管理されているため女性の登山者は喜ぶかもしれません。
蘭(あららぎ)からの旋回(往復)登山をする場合は避難小屋を折り返し地点にして南側の方へ降りてきます。ここから登山口までは1時間40分が目安と案内されています。
そして、南木曽駅や木曽駒ヶ岳へ縦走する場合は「上の原」という登山道を歩いていきます。
標識で右側を選択すると、熊笹に囲まれた展望台があります。ベンチも設置されているため、中央アルプスや御嶽山の景色を見ながらお昼休憩を楽しめる場所にもなります。
2019年に再び南木曽岳へ来たときは、どんな景色を撮影しているのでしょうか。2019年は綺麗な景色をみなさんへ届けたいと思います。期待していて下さい。
下りは立入禁止テープ・ロープが多くあるルートです。
自分の肩幅よりも狭い梯子やカーブする梯子、3階から1階へ降りるような梯子があります。熊笹の隙間から鋭い木の枝が飛び出し、膝やお尻に刺さると悲鳴をあげそうになってしまいます。1時間以上このようなところを降りてくるため、緊張が緩まないように休憩を細目に入れていくといいかもしれません。
花崗岩が夕日から綺麗に照らされた場所へ降りてきました。岩から出る砂浜のような白い砂が写真から分かります。
鎖や梯子が少なくなると、周囲の景色が観えなくなります。標高が下がるに連れて熊笹も小さくなったり少なくなります。橋が架かっている場所は登りと同じように隙間が大きいため慎重に渡りましたが、木の板が弱くなっていることはありませんでした。
なんとか登りルート(左)と下りルート(右)の合流地点に到着しました。
ここまで1時間40分です。避難小屋の方で「登山口まで1時間40分」という案内標示はここまでのことだと考えられます。ここへ到着し、登山を始めたばかりの頃の足の痛みを思い出しました。少し足の痛みを緩和するためにこの川で足を冷やし、少し休んでからスタート地点まで戻りました。
登山時間は往復4時間40分。御嶽山や周囲のアルプスの景色が綺麗に見えませんでした。南木曽岳は御嶽山、木曽駒ヶ岳とともに木曽の三岳に数えられ、標高では表せない大自然の魅力がありました。決して簡単とはいえないため、自分の心身をレベルアップするために選んでみるのもお勧めです。
<最後に>
日本アルプスの百名山は人気が高く、登山の流行が起きてからそこへ観光登山する人も増えています。しかし、中央アルプスの中でも二百名山・三百名山の地域にはまだまだ登山客や観光客は足りていません。長野県木曽郡に並ぶ中央アルプスは、他県の百名山よりも登り甲斐が多くあります。植物や動物、天体の専門書で珍しいとされるものを見つけられます。一生の中でいい思い出を残したい方、研究をしてる方、もっと山を登ってみたい方は南木曽町へGo!!!
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